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仮面城(日文版)-第20部分
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「まあ、それじゃおとうさま、今夜もお仕事かしら?」
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宗像博士はよく真夜中に起きて仕事をすることがある。そんなとき、博士はいつも、目ざまし時計をかけておくのだが、その目ざまし時計というのは歌時計になっていて、ベルのかわりにオルゴ毪和wの光』を奏でるようになっているのだ。
美罚ё婴悉坤椤⒄嬉怪肖搐恧饯违毳穿‘ルが鳴り出すと、いつも、ああ、また今夜もお仕事だわ、とそのまま寝てしまうのだが、今夜ばかりはどういうものか、父のことが気になってたまらない。それでしばらくじっとその音に耳をすましていたが、すると、ふいにオルゴ毪我簸膝郡趣浃螭馈
「あら!」
美罚ё婴悉撙绀Δ市丐丹铯蚋肖袱俊%毳穿‘ルが終わりまで歌わずに、とちゅうでフ盲趣浃螭坤韦胜螭趣胜瘹荬摔搿¥饯欷恕ⅳ丹盲劋い俊ⅳⅳ韦郡坤胜椁探肖由
美罚ё婴悉饯长恰ⅳ趣猡⒏袱螘鴶趣颏韦兢い埔姢瑜Δ取⑶奘窑虺訾毪取⑾陇丐辘皮い盲俊¥取ⅳ饯长扦肖盲郡辘瘸龌幛盲郡韦⒏袱沃证沃踞⑷馈S⑷猡长渭窑饲薏搐蓼辘筏皮い毪韦扦ⅳ搿
「あら、志岐さん!」
「しッ!」
英三は口に指をあてた。なんとなくまっ青な顔をしている。美罚ё婴悉摔铯恕ⅳ悉菠筏ば丐丹铯蚋肖袱胜椤
「いったい、どうしたの?」
と、声をふるわせてたずねた。
「どうもへんなのです。先生の書斎のほうで、みょうな物音が聞こえたのです」
と、英三も声をふるわせている。
「いって見ましょう。ねえ、いって見ましょうよ」
ふたりはそこで書斎へはいると、パチッと電気のスイッチをひねったが、そのとたん、アッと叫んで棒立ちになった。宗像博士があけに染まってたおれているのだ。
「おとうさま! おとうさま!」
「先生! 先生!」
ふたりはむちゅうになって左右からとりすがったが、博士はすでにこと切れている。見ると胸のあたりに二、三か所、ものすごい突き傷をうけているのだ。
「おとうさま、おとうさま。ああ、だれがこんなことをしたんですの。おとうさまァ!」
美罚ё婴悉沥い韦瑜Δ似肖螭坤ⅳ饯韦趣馈ⅳ胜摔蛞姢膜堡郡韦⑷ⅴⅴ盲冉肖螭橇ⅳ沥ⅳ毪取
「美罚ё婴丹蟆ⅳ搐椁螭胜丹ぁ¥场ⅳ长欷颍
とただならぬさけび声、ハッとした美罚ё婴⒂⑷沃袱丹工趣长恧蛞姢毪取ⅳⅳⅰⅳ胜螭趣いΔ长趣馈⒈冥摔盲跨Rの上に、ベッタリと血染めの指紋、しかもそれはまぎれもなく、あのいまわしいどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋ではないか。
恐ろしい真相
明け方の五時ごろだった。
新日報社の三津木俊助は、由利先生にたたき起こされてあわてて表へとび出した。見ると由利先生は自動車にのって待っている。
「三津木君、いっしょにいこう。どくろ[#「どくろ」に傍点]指紋が人殺しをやったというのだよ」
「え、人殺しですって? そして、殺されたのはいったいだれです?」
「宗像博士だよ」
「なに宗像博士ですって?」
「そうだ、いま警視庁の等々力警部から知らせてきたんだ。ともかくきたまえ」
由利先生にうながされて、俊助が自動車に飛び仱毪取⑺激い堡胜⑾壬韦饯肖摔弦娭椁倘簸つ肖韦盲皮い搿¥饯文肖洗螭庶眼鏡をかけ、帽子をまぶかにかぶり、おまけにコ趣韦à辘颏栅证攘ⅳ皮皮い毪韦恰⑷讼啶悉蓼毪扦铯椁胜ぁS衫壬猡筏绀Δい筏瑜Δ趣悉筏胜盲俊
「それで先生、事件の起こったのはいつのことです」
「ついさきほど、三時ごろのことだそうだ」
と、そんなことをいっているうちに、自動車は早くも紀尾井町の宗像邸へつく。見ると屋敷の周囲には、はや変事をききつけたやじうまがおおぜいむらがっていて、そのなかに、制服の警官や私服の刑事のすがたも見られた。
そのなかをかきわけて由利先生に、三津木俊助、それから例の坨Rの男の三人がなかへはいっていくと、出迎えたのは等々力警部だ。
「やあ、先生。よくきてくれましたね」
「ふむ。先程は電話をありがとう。ところでまたどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋が残っていたそうだね」
「そうですよ。じつにふしぎですよ。ときに先生……」
と、警部がなにかささやくと、由利先生はニンマリうなずきながら、
「いや、だいじょうぶだ。それはわしが保証する。ゆうべはずっとわしのそばにいたのだから」
と、みょうなことをいったかと思うと、
「とにかく、現場を見せてもらおうか」
と、俊助と坨Rの男をうながしながら、書斎へはいっていった。書斎はまださっきのままで、宗像博士の死体もそこに横たわっている。
「先生、これが例の指紋です。そして、この写真が、ゆうべ三津木君がチラと小耳にはさんだという写真にちがいありません」
と、等々力警部が指さしたのは、例の栗生徹哉の写真だ。それを見ると、由利先生も俊助もアッとばかりにおどろいたが、とりわけいちばんおどろいたのは坨Rの男。まるで幽霊でも見つけたように、じっとその写真の前に立ちすくんでいたが、由利先生がポンとその肩をたたくと、
「よしよし、いまに何もかも解決する。心配するな」
と、またしてもみょうなことをいうと、
「それじゃ警部、発見者だというお嬢さんを呼んでくれたまえ」
やがて、警部の命令によってはいってきたのは美罚ё婴扦ⅳ搿
美罚ё婴悉ⅳ蓼辘韦胜筏撙恕ⅳ工盲觐喦啶钉幛皮い郡ⅳ饯欷扦庥衫壬钨|問にたいして、ゆうべの話をポツポツと話してきかせた。由利先生は熱心にその話を聞いていたが、歌時計のオルゴ毪趣膜激篪Qりやんだということを聞くと、ふしぎそうに、
「その歌時計というのはこれですか」
と、ゆかの上にころがっている目ざまし時計をとりあげた。
「はい、それでございます」
「なるほど、これがとちゅうで鳴りやんだのですね」
と、しげしげ時計をながめていたが、やがてギョッとしたような表情をあわてて押しかくしながら、
「ときに、お嬢さん。ここにかかっているこの写真は、どういうひとですか」
と聞かれて、美罚ё婴膝铳盲绕訾筏俊
しかし、いまとなっては隠しようがない。そこできのう父からきいた話を、残らず打ち明けたが、それを聞いていちばんおどろいたのは、またしてもあの坨Rの男だ。おもわずなにかいおうとするのを、由利先生はあわてて押しとめながら、
「いや、よしよし。それでは志岐くんというのを、ここへ呼んでもらおうか」
やがて志岐英三がはいってきた。かれはまだパジャマのままでこうふんした顔色をしていたが、問われるままにゆうべの話をする。
「なるほど、するときみの考えでは、博士を殺したのは道之助にちがいないというんだね」
「むろんです。その指紋がなによりのしょうこです」
「ところがね、志岐くん。道之助はゆうべここへくるはずはないんだ。なぜならば、あの少年はゆうべずっと、このわしといっしょにいたんだからね」
「な、なんですって?」
「おいきみ。その眼鏡をとって顔を見せてやりたまえ」
由利先生のことばも終わらぬうちに、坨Rの怪人物は、サッと眼鏡と帽子をかなぐりすてたが、とたんに美罚ё婴庥⑷饪≈狻ⅴⅴ盲趣肖辘摔嗓恧い俊¥啶辘猡胜ぁⅳ饯文肖长渐旦‘カスの人気者、栗生道之助少年ではないか。
「ああ、あなたは――」
美罚ё婴悉ⅳ蓼辘韦嗓恧恕ⅳ猡铯氦Δ筏恧摔趣婴丹搿S⑷猡蓼们啶摔胜盲皮郡袱恧い馈
「お嬢さん、安心なさい。道之助くんはけっして悪党じゃない。なるほど奇怪な指紋の持ち主だが、その指紋をぬすんで悪事を働いていたやつは別にあるのです」
「な、なんですって?」
「三津木くん、きみにまでかくしていたのはすまなかったが、これにはわけがある。あのどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗のひょうばんが高くなりかけたころ、この道之助くんが、わしのところへやってきたのだ。そしてあの怪盗の残していく指紋は、たしかにじぶんの指紋にちがいないが、自分は決してそんな悪事をしたおぼえがないという。
わしも大いにおどろいたが、等々力警部と相談して、道之助くんをしばらくわしの家へとめておいたのだ。ところが、そのあいだにもいぜんとしてどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗はあらわれる。そこでだれかが道之助くんの指紋をとって、それを精巧なゴム判かなにかにして、罪を道之助くんにかぶせようとしているのだということがわかった。
それで道之助くんによく聞くと、大阪で|興行《こうぎょう》しているころ、見知らぬ客に招かれたが、そこで眠り薬をのまされて、眠ってしまったことがあるという。
つまりそのとき指紋をとられたらしいのだが、さて、その客というのが何者だかわからない。
人相を聞いても、相手は変装していたらしいので、そんなものは手がかりにならない。
そこでわれわれもほとほと困ったあげく、戦法をかえて、道之助くんの写真をサ工违荪攻咯‘にいれて枺─袱澶Δ衰啸椁蓼い郡韦馈
するとはたして、警視庁へ密告状がきて、道之助くんこそどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の怪盗だ、と教えてきた。
わしの考えでは、その密告状のぬしこそあやしいと、ひそかに眨麞摔颏工工幛毪い盲荬Αⅳ铯钉让芨孀搐摔坤蓼丹欷郡瑜Δ暑啢颏筏啤⒐拣^であんな捕物さわぎをやって見せたのだ。
なあに、あれは警部や道之助くんとあらかじめ打ち合わせておいて、わざと道之助くんをとり逃がすようにしておいたのだよ。道之助くんはしゅびよく逃げだすと、すぐわしのところへきて、それからいままでかくれていたのだが、そうとは知らずに、またのめのめとこんな人殺しをやったのは、これこそどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋の撙韦膜怠
ああ、なんという意外な話、なんというふしぎな物語だろう。俊助も美罚ё婴狻ⅳⅳ蓼辘韦长趣摔郡坤埭Δ激螭趣筏皮い搿S⑷悉胜摔筏椤⒂碾懁摔扦馊·辘膜欷郡瑜Δ暑啢颏筏皮い郡ⅳ浃皮筏铯欷啃Δど蛄ⅳ皮毪取
「なるほど、しかしそれじゃ、本物のどくろ[#「どくろ」に傍点]指紋はどこにいるのだ?」
「ふむ、そこにいるよ。志岐くん、きみのパジャマのボタンがひとつちぎれているが、それはどうしたんだね?」
「な、なんですって?」
「ハハハハ、さすがの悪党もそれに気がつかなかったのが撙韦膜坤汀2┦郡蠚ⅳ丹欷毪趣⒎溉摔违堀骏螭颏窑沥盲俊7溉摔喜┦郡窑趣い怂坤螭坤长趣人激盲撇课荬樘婴渤訾筏郡⒉┦郡悉饯韦袱膜蓼老ⅳⅳ盲郡韦馈¥饯筏贫夏┠Г慰啶筏撙韦Δ沥恕ⅳ饯违堀骏螭蚋钑r計のなかへねじこんでおいたのだ。ほら見たまえ」
と、由利先生が歌時計のふたをひらけば、コロコロところがりだしたのは血にまみれた一個のボタンだ。と同時にボタンによってさえぎられていたゼンマイが、ふたたび回転をはじめたかと思うと、いったんとぎれた『蛍の光』が、またゆるやかに鳴り出したのであった。
そのとたん、ごうぜんたる物音が室内にとどろいたかと思うと、志岐英三のからだがバッタリと床の上にくずおれたのだった。
英三の室内からは、はたして世にも精巧などくろ[#「どくろ」に傍点]指紋のゴム判が発見された。かれが自殺したいまとなっては、なぜそんなだいそれた悪事をはたらいたのか、知る方法もないが、推理をはたらかせてみると、かれは博士の財産に目をつけていたのだ。
ところが博士はいつか話したように、あくまでも道之助をさがし出して、ゆくゆくは美罚ё婴冉Y婚させて、財産をゆずろうとしていたので、それを知った英三は、道之助をつみにおとしいれようと、あんな悪事をたくらんだのだが、その秘密を博士に知られたので、あんな恐ろしい人殺しをやったのであろう。
道之助と美罚ё婴稀ⅳい蕖⒂衫壬伪Woをうけながら、きょうだいのように、仲よく勉強しているということである。
本書には今日の人権意識に照らして不当.不適切と思われる語句や表現がありますが、作品執筆時の時代背景や作品の文学性などを考懀Г筏饯韦蓼蓼趣筏蓼筏俊
[#地から2字上げ](角川書店編集部)
|仮面城《かめんじょう》
|横《よこ》|溝《みぞ》|正《せい》|史《し》
平成14年6月14日 発行
発行者 角川歴彦
発行所 株式会社 角川書店
〒102…8177 枺┒记Т锴皇恳2…13…3
shoseki@kadokawa。co。jp
(C) Seishi YOKOMIZO 2002
本電子書籍は下記にもとづいて制作しました
角川文庫『仮面城』昭和53年12月30日初版発行
昭和62年 9 月20日15版発行
◆·─·◆·─ ☆ ─ ★ ─ ☆ ─·◆·─·◆
本书由
¤╭⌒╮ ╭⌒╮欢迎光临
╱◥██◣ ╭╭ ⌒
︱田︱田田| ╰……
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